トラッドスーツの意味とは? 知っておきたいスタイルと着こなし術
社会人男性の必須アイテムといえばスーツ。冠婚葬祭にも必要ですよね。とはいえ意外と知っているようで知らないスーツの世界。みなさんにも心当たりがおありかと。
スーツをオーダーメイドする男性ならまだしも、多くの方は専門店やセレクトショップで購入しますよね? それゆえに実は、スーツを着る本人も理解できていないことがあるかもしれません。
今さら聞けないスーツの種類をおさらいしつつ、今回のメインテーマ「トラッドスーツ」の魅力についてご紹介したいと思います。
【PR】
目次
今さら聞けないスーツのこと
1.スーツの種類と基本仕様
スーツには大きく分けて2種類。少ないように感じますが難しいことは考えず「大きく分けて2種類なんだ」と覚えてください。
その違いはシングルかダブルかというて点。シングルスーツとダブルスーツの違いはボタンの付き方にあり、一目で分かります。
- シングルスーツ:ボタンの並びかたが一列
- ダブルスーツ : 〃 二列
スーツの細かい仕様については、下記のようにまとめます。
- ツーピースとスリーピースの違い
- 2つボタンと3つボタン
- 襟の種類
- ベントの種類
- 春夏用と秋冬用の違い
スーツの種類/1.ツーピーススーツとスリーピーススーツ
読んで字の如くツーピースはジャケット&スラックスの2点、スリーピースはジャケット&スラックス&ベストの3点でセットされるスーツのこと。
一般的なのはツーピースです。スリーピースはよりビジネス向けになります。
スーツの種類/2. 2つボタンと3つボタンの違い
こちらもボタンの数の違いのみですが、主流なのは2つボタン。ビジネスにも冠婚葬祭にも使えます。
3つボタンはひと昔前のとトレンドスタイル。この場合、着用時はいちばん上のボタン&真ん中のボタンのみを閉じるのが正解ですが、画像のように、いちばん上のボタンがジャケットの折り返し部分に隠れる段返り3つボタンの場合は真ん中のみを閉じるのが正しい着こなし方法です。
ネクタイが見えるスーツのVゾーンは2つボタンのほうが広くなり(シャープな印象)3つボタンのほうが狭くなります(クラシックな印象)
スーツの種類/3. 襟(ラペル)の種類
スーツの顔とも言える襟(別名でラペル)トレンドによって幅が変わることもありますが、代表的な襟の種類は下記の5つ。
- ノッチドラペル:ひし形でシングルスーツの定番
- ノッチドスリム:ノッチドラペルより襟の幅が狭い(ノッチドラペルに比べよりシャープな印象に)
- ピークドラペル:ダブルスーツに多く下襟の先端が上に向いているためドレッシーな印象を与えてくれます
- ピークドスリム:ピークドラペルより襟の幅が狭いためドレッシーでシャープな印象になります
- ショールカラー:主にタキシード向けの襟。へちま襟とも言われます。
スーツの種類/4. ベントの種類
後ろ姿の印象を決めるのがベント。スーツの後ろ身頃(うしろみごろ)に入っているスリットのことを指します。動きやすさと着心地に関係するベントには3種類あり。
センターベント:後ろ身頃の中心に切れ目があるもの
サイドベンツ:後ろ身頃の両サイドに切れ目があるもの。ゆったりとしたスーツに多いのでヒップが大きめの男性におすすめです
ノーベント:後ろ身頃に切れ目のないもの。ノーベントは冠婚葬祭に着用するフォーマルスーツに該当します。ノーベントは礼服!と覚えておきましょう
いちばんスタンダードなのはセンターベントです。
スーツの種類/5. 春夏用と秋冬用の違い
春夏・秋冬とでジャケットの裏地に違いがあります。
- 春夏:背抜き
- 秋冬:総裏(そううら)
スーツの種類と基本仕様を押さえたところで、ここからトラッドスーツについてまとめます。
2.トラッドスーツの意味
トラッドはトラディッショナルの略。
「伝統的な」という意味があり、アメリカントラディッショナルやブリティッシュトライディッショナル、アイビーリーグを背景に上質で普遍的なスタイルを指します。難しい話はさておき、スーツに絞って簡単に言ってしまえば、上質で品のある大人スーツのこと。
とはいえ古き良きばかりを優先するだけではなく、伝統への敬意はありつつも「今らしさ」を忘れないのがポイント。
2-1 トラッドスーツとレギュラースーツの違い
レギュラースーツはトラッドスーツに比べカチッとしていて肩パッドもしっかり入っています。
トラッドスーツにはレギュラースーツの約半分の厚さのパッドが入り、肩まわりや袖付けの型がレギュラーとは違います。
前述した3ボタン段返りが基本。ウエストラインが絞られ、肩は丸みを帯びたドロップショルダーが多く、ベントは従来のセンターベントよりも強度を増したフックベントが基本形です。
2-2 スーツのシルエットは3種類
トラッド以外にはどんなシルエットがあるのかも押さえておきましょう。
- (1)ブリティッシュ
- (2)イタリアンクラシコ
- (3)トラッド(アメリカントラッド)
3.トラッドスーツが似合う男性とは
結論から言うと、どんな男性にも似合います。ただし、気を付けるべきポイントは
- ルールに合わせてスーツを選ぶ&着る
- 体型にあったサイズのものを着る
- まじめ過ぎず派手すぎないスーツを選ぶ
つまりは、ジャケットの着丈・ラペル幅・パンツのシルエットのどこをとっても適切であることが大事です。
4.トラッドスーツの着こなし方
スーツの着こなしはサイジングとディテールが肝。今におけるスーツの正解をここで学んでおきましょう。
4-1. 肩
ナチュラルショルダーをチョイスしましょう。分厚いパットはNGです。丸みがあり、見た目にも柔らかいタイプを。
4-2. ラペル
太過ぎず細過ぎない9センチ幅前後 がベスト。
4-3. ウエスト
寸胴や逆三角形はNG。適度な絞りがあるシルエットが◎ 寸胴は野暮ったく見え、ショイプの強いものは窮屈です。
4-4. ジャケット丈
お尻は半分隠すのがベスト。今は短い丈がトレンドですが、お尻は半分隠れるぐらいがエレガントに見えます。
5-5. パンツ丈
靴に裾が触れるかどうかくらいの丈が◎ このほうがエレガントです。くるぶしが見えてしまうのはNG。
5.トラッドスーツにおすすめのブランドまたはショップ
7.まとめ
トラッドスーツで考える今のスーツの着こなしは装いの節度を知ることからです。
トラッド=伝統的とはいえ、昔と今とではその基準も少し違います。素材から機能性まで、今のほうが格段に進歩しています。それを生かすも殺すも全ては着こなし次第。
前述したとおり、どこをとっても適切で悪目立ちしないことが大切です。「だらしがない・チャラい・地味」このどれにもあてはまらない、適度な大人の着こなしを目指しましょう。