それは他人のせい? 責任転嫁する人の特徴・原因・対処法を解説

それは他人のせい? 責任転嫁する人の特徴・原因・対処法を解説

自分で決めたことなのに誰かのせいにしたり、自分の失敗を認めなかったり……このような人が身近にいませんか?

この記事では、責任転嫁する人の特徴と対処法、そして責任転嫁を自覚している人に向けて、どのような点に注意すべきかをまとめています。

責任転嫁の意味とは

責任転嫁の意味とは

先ずは、「責任転嫁」という言葉の意味を確認しましょう。

責任転嫁(せきにんてんか)

本来自分が負うべき責任や罪科を、他人の負うべき責任であるとしてなすりつけること。「転嫁」は再婚の意味もあるが、多くの場合は「なすりつける」の意味で用いる。

引用:weblio辞書

「転嫁」は元々2回目の嫁入りのこと。それが転じて「転嫁」は、他に移すことを表す言葉になりました。

”自分が負うべき責任の方向を変えること”の意味として責任「転換」という言葉を目にしますが、誤用です。

責任転嫁する人は病気の可能性もある

責任転嫁する人は病気の可能性もある

責任転嫁する人は、自分の非を認められず職場で嫌われていたり、周囲の人とのトラブルを起こしやすいです。

そして、自分でも気づかないうちに病気にかかってしまっているかもしれません……。

自己愛性パーソナリティ障害
ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなくてはならないと思う、パーソナリティ障害の一類型。

自信やプライドを持つことはとても大切なことですが、それが行き過ぎると「自己愛性パーソナリティ障害」となります。

自分を愛するあまりに自己中心的になり、周囲の人と共感できなくなり、健全な人間関係を作るのが難しくなるのです。

【性格編】責任転嫁する人の特徴

【性格編】責任転嫁する人の特徴

責任転嫁し逃げる癖のある人には、一定の特徴があります。ここからは、性格編と行動編に分けてチェックしていきましょう。

プライドが高く自己愛が強い

責任転嫁する人は、「自分は特別な存在でなくてはいけない」と思い、プライドが高く自己愛が強い傾向にあります。

周囲からの評価ばかりを気にしているため、自分の失敗が認められません。

そして、自分は特別な人間のため、失敗は自分の責任ではなく周囲が間違っていると信じ込んでしまいます。

被害者意識が強い

被害者意識が強い性格の人は、責任転嫁することが多いです。

「うまくいかないのは他人のせい」「自分は悪くない」と思っているため、問題が起きても自分の責任だと認めようとしません。

このような性格の人は、人の悪口を頻繁に言い、何でも人のせいにし、言い訳や自己弁護を繰り返します。

そして、成功や手柄だけは独り占め、協調性も無く周囲への配慮に欠けています。

自分の意見に自信がない

責任転嫁する人は、自分の意見や考えに自信が持てず、心の中では常に周囲からの目や評価を気にしています。

しかし、そのことを周囲には知られたくないので「自分は間違っていない」「私の言っていることは正しい」という言動が出てしまいます。

その結果、周囲からは偉そうな人、自分勝手な人とのマイナスの印象を持たれてしまいます。

打たれ弱く怒られるのが怖い

責任転嫁する人の大半は、子供っぽい性格の持ち主です。幼い頃から親に甘やかされて育った人が多く、叱られたり指摘された経験が乏しいまま大人になってしまったのです。

そのせいで大人になってもミスを指摘されたり、怒られるのを極端に嫌います。

人間誰しも怒られるのは嫌なものですが、彼らは怒られることをとても怖がっています。

楽ばかりしようとする

責任転嫁する人は面倒事を嫌います。

できることなら楽をして世の中を渡っていきたいと思っており、自分のせいで起きた失敗だとしても、その責任を取るなどという面倒事は、他人に片付けてもらったほうが楽だと考えています。

【行動編】責任転嫁する人の特徴

【行動編】責任転嫁する人の特徴

次は責任転嫁する人が取りがちな態度や行動を確認しましょう。

自分の非を認められない

責任転嫁は「自分は周囲の人物より常に優れていたい」「劣等感は味わいたくない」という心理から、問題が起きると自分は悪くないと主張する人に多く見られる態度です。

周囲の目がある場所では、常に他人より優れていなければ気が済まず、自分の間違いやミスを素直に認められません。

しかし、まったく罪悪感が無いわけではなく、ただプライドが高いだけなので、実は自分の失敗を自覚していて心の中で葛藤していることもあります。

相手によって態度を変える

「周囲よりも高い評価を受けたい」「褒められたい」という心理から、会社の上司など目上の人には従順なのに対し、同僚や部下を平気で裏切るしたたかな人も責任転嫁をします。

このタイプは、同僚や部下に責任転嫁しやすく、友達までもを要領よく使い分けることがあります。

周囲は気分が悪いですが、目上に限らず、全ての人間関係を良好に保てない人は、会社のような組織ではあまり好まれません。

それでも、実際に手のひらをかえすような態度をとる人はよくいるものです。

言い訳や嘘を言う

責任転嫁する人は、些細なものから深刻なものまで、息をするように自然と嘘がつけます。嘘をつくことは、責任転嫁する人の必須能力と言えます。

「〇〇さんが言ったから」「(今まで)知らなかった」などと反論し、もっともらしい言い訳を並べて責任を押しつけようとしますが、周囲も慣れてくると聞き流せるようになります。

聞き流されていることがわかると、無駄な言い訳はしなくなるかもしれません。

優しい人断れない人をすぐ身代わりにする

責任転嫁することにわずかな罪悪感や自覚があると、責任転嫁の方向は自分に対して甘い態度をとってくれる人に向きがちです。

都合が悪いことを他人に押しつけようとする人は、自分に従う人を見つけて自分の身代わりにします。

会社の上司が部下に、先輩が後輩に、というパターンが多いのもこの態度の特徴です。

周囲に「完璧な人」をアピールしたがる

プライドが高いため、低評価を受けるはずがないと自負し、自分がいつも正しいと思いたいタイプの人がいます。

このような見栄や虚勢を張るタイプに多いのが、周囲に完璧アピールをする人です。

自分の完璧さの邪魔になる失敗の責任は転嫁し、自分は無関係であることをアピールします。

絶対にミスなどしない自分でいることだけが最優先なのです。

人が責任転嫁する理由は2つ

人が責任転嫁する理由は2つ

責任転嫁する人は、なぜ前述したような言動をとってしまうのでしょうか。その理由は下記です。

自分は完璧だと周囲に思われたいから

見えっ張りでプライドが高い人が責任転嫁するのは、「自分は完璧な人間だと思われたい」という心理が原因です。

ほんの些細なことでもプライドが傷つくと、虚勢を張らなくなる可能性が大きいのもこのタイプです。

仕事やプライベートに限らず、プライドの高さや見栄っ張りな部分が見え隠れするので、対処しやすいでしょう。

周囲の誰かが解決してくれると期待しているから

責任転嫁してしまうのは、周囲に後始末をしてくれる優しい存在がいるからです。しかし、その存在にも年齢や立場などで限界があります。

結果的に責任から逃れられても自分がしてきた言動や事実は変わりません。

責任転嫁する人との上手な接し方

責任転嫁する人との上手な接し方

責任転嫁する人と上手に付き合うには、どのような方法をとれば良いのでしょうか?

一定の距離を保つ

責任転嫁する人に、ミスや責任を指摘すると逆上する恐れがあります。

そのため、一番良い対策が「一定の距離を保つ」「近づかない」という物理遮断です。

注意!感情的な指摘はしない

責任転嫁する人は、後始末を押し付けようとして感情的な行動や言動に出ることが多いです。

一方的に怒鳴られると、普通は穏やかではいられません。しかし、そこで相手の挑発に乗ってしまっては相手の思うツボです。こちらまで感情的になってはいけません。

売り言葉に買い言葉にならないよう、極力冷静さを保つように心がけましょう。

責任の所在を明確化させる

責任転嫁する人対策として一番良い方法は物理的遮断ですが、同じ職場のメンバーとなるとそうはいきません。

確認の内容はまずメールで送付、メールのやりとりは全て保存し、責任の所在を明確化させましょう。

「言われていません」「知りませんでした」と言い逃れできないよう、こちら側がしっかり備えておくことが大切です。

被害者を集める

責任の明確化と同時に、同じように責任転嫁されて嫌な思いをした人を集めます。

一人で被害を訴えるより、大人数で訴えたほうが意見が通りやすいですし、同じようにミスや失敗を押し付けられて人から話をきくことで、その人のパターンが明確化し、対策も立てやすくなります。

責任転嫁を自覚している人の改善法

責任転嫁を自覚している人の改善法

責任転嫁して逃げる癖があるという自覚がある方は、以下のポイントをしっかりと胸に留めて実行しましょう。

面倒なことから取り組む

実際にやってみて苦しくても、今までは他人や時間の経過に甘えてしまっていただけで、誰かがやってくれていたことかもしれません。

まずは、めんどくさいことや大変なこと、また他人からダメな部分を指摘されるかもしれないことから始めるようにしましょう。

案外、トライしてみればすんなりできてしまったということも意外とあるはず。

失敗は「自分の糧」だと思ようにする

失敗を恐れると積極的に前に進むことをふみとどまってしまい、いつまでも逃げ癖を直すことができません。

どんな人も失敗はするもの。しかし失敗は痛いことだけでなく、学ぶことがたくさんあります。

失敗してみないとわからないことや、その失敗が、次の人生の出会いを呼ぶことも。自分が「やりたい」と思うことがあれば、ぜひ実行を優先してみてください。

もし失敗しても、それもあなたの人生の軌跡として、意味のあることになるはずです。

成功経験を積み少しずつ自信を持つ

逃げ癖がすぐに直らないからといって焦ったり、そこでまた弱気になったりすることは良くありません。

はじめから高すぎる目標を持って動くと、自分の中で実感を得られる機会が少ないため、短期間でも達成できる小さな目標を準備しましょう。

小さな成功体験を積み重ねることで、自分が成長しているという感覚を掴みやすくなるはずです。

失敗したら素直に非を認める

自分には非が無く責任は他にあると主張する前に、「なぜ前もって気付けなかったのか?」「このような事態は予想していたはずなのに、なぜ自分は反応できなかったのか?」と、自分の準備不足、確認不足、意識不足、行動不足に目を向けてみましょう。

「上司が指示を出さないから動けない」
「出した広告がイマイチだから客が来ない」

などと言っているうちは、まだまだ。失敗や問題、予期せぬ事態が起きたとき、まずは自分にも非があると認めることから始めましょう。

責任転嫁する人の特徴と対処法まとめ

責任転嫁する人の言動には、本人も気付かない(気付きにくい)隠された心理が関係しています。

しかしながら、そうと分かってはいても責任転嫁される側としては不快に変わりなく、人間関係に問題が生じることもあるでしょう。

思いあたる人が周囲にいる方は、ご紹介した対処法をぜひ試してみてください。

また、責任転嫁を自覚している人は改善法を一つづつ実践してみましょう。小さなことから意識を変えることで必ずや克服できるはずです。

この記事のライター

shugano

中学生と小学生の子を持つママライターです。趣味はハンドメイド。趣味にも仕事にもコーヒーとチョコは欠かせません。恋愛系の記事を多く執筆してきた経験を活かしたアドバイスやお役立ち情報をお届けします。

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